神社と日本酒の関係は?お神酒の意味や種類、おすすめ有名銘柄を紹介

お神酒コラム
コラム

神社とお酒には深い関わりがあり、全国の神社には各地の酒蔵によって造られた「御神酒(おみき)」が奉納されています。神社の境内に、さまざまな酒樽が並んでいるのを見かけたことがある人も多いのではないでしょうか?

しかし、なぜ神社にお酒が奉納されているのか、その意味や歴史を知らないという人も多いはず。そこでこの記事では、主に日本酒に焦点を当てて神社とお酒の関係についてわかりやすく解説します。

お参りする際にお供えするお神酒の選び方や、自分で飲んでも美味しいおすすめ銘柄についても紹介するので、神社と日本酒の関係やお神酒について知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

お神酒とはどんなお酒?お神酒の意味と役割

お神酒

お神酒とは、大まかにいうと「神社にお供えするお酒」のことを指します。古来より神事や祭礼などにおいて、人々は神様に食べてもらう食事「神饌(しんせん)」をお供えしてきました。

神饌には米・魚・塩などさまざまな種類がありますが、お酒もそのうちのひとつに含まれ、神様にお供えして霊力が宿ったお酒を「お神酒」と呼びます。

神事のあとにはお供えした食べ物を参列者でいただく「直会(なおらい)」と呼ばれる宴会があり、神様にお供えしたものを食べることで恩恵や加護が受けられると考えられています。

お神酒は日本の伝統的な信仰に根ざした重要なものであり、神社や神様との関係を深める手段として大切にされてきた文化です。

正式には4種類!お神酒の種類と特徴

お神酒

お神酒は神饌のなかでも特に重要なものとされており、神棚の最上段中央に置かれています。

これは農耕民族である日本人にとって米が重要なもので、お米から作られるお酒は神様に捧げるのにふさわしい上等なお供物だと考えられてきたためです。

お神酒の種類を詳しく解説すると、以下の4つに分類されます。

  • 白酒(しろき):古代の日本で一般的なスタイルであったどぶろく・濁り酒(にごりざけ)
  • 黒酒(くろき):白酒に草木の灰を入れて着色したお酒。灰持酒(あくもちざけ)
  • 清酒(せいしゅ):現代で一般的な日本酒。清酒(すみざけ)とも呼ばれる
  • 醴酒(れいしゅ):甘酒のようなお酒。一晩で醸造する一夜酒(いちやざけ・ひとよざけ)

お神酒をお供えする場合はこの4種類を揃えるのが正式とされていますが、近年では伊勢神宮や出雲大社などを除いては簡略化されています。現在ではほとんどの神社で、清酒のみをお供えするのが一般的ですよ。

銘柄は何でもいい?お神酒の選び方

お神酒

出典:amazon.co.jp

お神酒は基本的には日本酒が選ばれることが多いですが、お供えするときは日本酒以外のお酒でも構いません。基本的にはお酒であれば問題はなく、その土地で造られたお酒をお神酒として奉納している地域も多いです。

たとえば福岡県太宰府市の「太宰府天満宮」では、菅原道真にまつわる飛梅伝説にちなみ、梅酒がお神酒に使われています。山梨県笛吹市の「一宮浅間神社」や大阪府羽曳野市(はびきのし)の「誉田八幡宮(こんだはちまんぐう)」など、ワインがお神酒として奉納されているところもありますよ。

一般的には品質の高いお酒が好まれますが、神様への敬意や信仰の気持ちを持って奉納することがもっとも重要です。

お神酒のお供え方法

実際にお神酒をお供えしたいときは、どのような手順で行えばよいのでしょうか。神社に奉納するときと家庭の神棚にお供えするときに分けて解説します。

神社にお供えする場合

お神酒

お神酒をお供えするタイミングとしては、お正月・厄除け・結婚式のお祝い・初宮参り・七五三・地鎮祭などがあります。

神社や神様にお供えするお酒は「奉献酒・奉納酒」とも呼ばれ、形式としては一升瓶1本、または一升瓶2本箱が主流です。日本酒の瓶に「奉献」と書いた熨斗(のし)紙を巻いたものを用意して奉納しましょう。

とはいえこれは特に大きな祭事での場合であり、普通に参拝に行ったときに奉納するのであればワンカップや小さな300ml瓶でも問題ありません。

家庭の神棚にお供えする場合

お神酒

家庭にある神棚にお神酒をお供えするときは米・水・塩・榊などをあわせて準備しましょう。

お神酒は瓶子(へいし)に入れてお供えし、対の瓶子を用意してお米の左右に並べます。お神酒に使うのは、醸造アルコールを含まない純米酒がおすすめです。

瓶子:お神酒をお供えする際に使う器のこと

また、神社などからいただいてきたお神酒は既に神様に奉納されたお酒のため、自宅の神棚に再度お供えするのは控えたほうがよいとされています。

いつ飲む?お神酒の飲み方やマナー・作法

最初に解説したとおり、お神酒は飲むことで神様の霊力や恩恵をいただけるお酒でもあります。

お神酒を飲む際は、いくつかのマナーや作法を知っておくとスマートですよ。神社でお神酒をいただく際は、以下の流れを参考にしてみてください。

  1. 神職(巫女さんなど)がお神酒を注ぎに来たら、一度だけ手を叩く
  2. 盃を両手で持ち、親指は上に他4本の指は下に添える
  3. お神酒を注いでもらう
  4. 神職の言葉を待ってから、お神酒を3口に分けて飲む
  5. 盃の口をつけた場所を指で拭く
  6. 盃を戻す

ただし、地域によって細かいマナーや作法が異なる場合があるので、不安な人は事前に尋ねてみてください。

また、神社でお神酒をいただいてきて自宅で飲む際には、特に作法やマナーはありません。飲むタイミングにも決まりはありませんが、受け取った当日に飲むのが一番ご利益があると考えられています。可能であれば、神様に感謝しながらその日のうちに飲むのがおすすめです。

お酒を飲めない人や子どもの場合は、お神酒を注いだ盃やグラスなどに口をつける程度でもOKです。料理酒として使う方法もありますよ。

お神酒の人気おすすめ有名銘柄を紹介

お神酒は門前町のお土産として販売されていることあり、日本酒好きなら試して欲しい美味しい銘柄もたくさん揃っています。ありがたい加護とともに味も楽しみたい人は、ぜひ有名銘柄もチェックしてみてくださいね。

伊勢神宮のお神酒「白鷹(はくたか)」

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伊勢神宮で献上されているお神酒は、兵庫県西宮市に酒蔵を構える「白鷹(はくたか)」の日本酒です。

伊勢神宮では毎日御前にお供えされる清酒を「御料酒(ごりょうしゅ)」と呼びますが、全国にある清酒のなかで唯一御料酒に選ばれているのがこの白鷹。

白鷹が伊勢神宮に清酒を献納し始めたのは1924年とされており、なぜ兵庫県のお酒が三重県に献上されているかについての詳しい資料は残っていないそうです。

現在では西宮市にある「広田神社」が関係する説が有力とされ、伊勢神宮で禰宜を務めた神職の方が明治時代に宮司として広田神社で在職し、白鷹を愛飲していたことでご縁ができたと考えられています。

白鷹のお神酒は公式サイトのオンラインショップ通販から購入でき、伊勢神宮の門前町であるおかげ横丁でも美味しい日本酒を味わえますよ。

出雲大社のお神酒「八千矛(やちほこ)」

出雲大社にはいくつかの日本酒が奉納されていますが、代表的なお神酒の銘柄が「八千矛(やちほこ)」です。

出雲大社に祀られているオオクニヌシの別名である八千矛の名を冠したこの日本酒は、島根県産の米を丁寧に仕込み熟成させ、落ち着いた味わいを引き出したお酒です。

旨みのある辛口が特徴で、冷やから燗まで楽しめますよ。

歴史の長い有名銘柄「松竹梅(しょうちくばい)」

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CMでも有名な銘柄「松竹梅(しょうちくばい)」は、松竹梅酒造が手がける人気の日本酒です。

松竹梅が商標登録されたのは1920年で、1933年に宝酒造の傘下として松竹梅酒造が設立されました。松竹梅酒造は高評価だった松竹梅の販売強化に乗り出し、生産量は年を追うごとに増加。今では日本を代表する日本酒の銘柄となっています。

宝酒造の公式オンラインショップでは、純金箔入りのお神酒が販売されています。見た目も豪華に楽しめるため、ぜひお供え用にもチェックしてみてください。

お神酒を通じて神社と日本酒の関係に注目しよう

神社と日本酒の関係やお神酒について紹介しました。

日本酒を通じて神社を見てみると、また新たな発見があるかもしれません。神社での参拝がより有意義になるように、奉納されているお酒にも注目して神社を楽しんでみてくださいね。

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