神社を訪れたときになんとなくお参りを済ませている人も多いかもしれませんが、神社の参拝には正しい作法とマナーがあります。せっかく神様にお願いするのなら、基本的な参拝方法を知っておきたいですよね。
そこでこの記事では、神社における基本的な参拝作法をわかりやすく解説します。手水舎で手を洗う順番や鳥居のくぐり方、縁起の良いお賽銭の金額なども紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
神社を参拝するときの基本的な作法
神社を参拝する際の基本的な流れは以下のとおりです。
- 鳥居をくぐる前に一礼する
- 参道は真ん中を避けて歩く
- 手水舎で心身を清める
- お賽銭を静かにいれる
- お参りを「二礼二拍手一礼」で行う
- 帰りに鳥居をくぐるときも本殿に向かって一礼する
それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。
鳥居をくぐる前に一礼をする
鳥居は家でいう「玄関」と同じ意味合いを持っています。人の家を訪ねた時に「おじゃまします」と挨拶するのと同様に、鳥居をくぐる前には一礼を心がけましょう。
鳥居には神社の外と内を分ける意味があり、鳥居の内側は神様の領域であることを示しています。参拝を終えて鳥居を出る際も、振り向いて一礼するのを忘れないでくださいね。
参道の真ん中は神様の通る道。なるべく避けて端を歩こう
参道の真ん中は「正中(せいちゅう)」と呼ばれ、神様が通る道とされています。鳥居をくぐってから社殿へ向かう際には、中央を避けて左端を歩くのがベターです。
また、神社の境内ではなるべく参道は横切らないのがマナーとされています。どうしても横切る必要があるときは、社殿の方へ軽く一礼してから横切るようにしましょう。
手水舎で心身を清める。手を洗う順番・やり方をチェック
鳥居のくぐってから拝殿に向かうまでの間には、「手水舎(てみずや、ちょうずや)」と呼ばれる水を蓄えた水盤があります。手水舎は神様にお参りする前に心身を清める「祓い清め」の場です。
手水舎では、以下の手順で手や口を清めましょう。
- 右手で柄杓を持ち水を汲み、左手を洗う
- 柄杓を左手に持ち替えて、右手を洗う
- ふたたび右手に持ち替えて、左手で水を受け口をすすぐ
- 柄杓を垂直にするようにして柄を洗う
これらの一連の動作は、最初に柄杓で汲んだ一杯の水で済ませるのが作法とされています。また、水を吐くときは低い位置で行ない、手で軽く口元を隠すのがベターですよ。手や口を洗った水は、水盤に戻さないよう注意してくださいね。
口をすすぐのには「全身を清める」という意味がありますが、神社によっては手水舎の水が汚い場合もあります。そのときは無理に手や水を洗わなくても大丈夫です。
お賽銭の入れ方は?ダメな金額や縁起の良い組み合わせはある?
手水舎で心身を清めたあとは、拝殿へ向かいお賽銭を入れましょう。拝殿前で一礼したあと、鈴があるときは3回鳴らして神様の注意を引きます。鈴の音色には、参拝者を祓い清める効果もありますよ。
お賽銭の入れ方については、基本的には箱の入り口に手を近づけて静かに落とし入れるのが良いとされています。ただし、お賽銭を投げ入れることで「厄を祓う」とする考え方もあるので、自分のスタイルにあった方法でお金を納めましょう。
お賽銭の金額の組み合わせは、以下の語呂合わせが縁起が良いとされていますよ。
11円:いい縁
20円:二重に縁
25円:二重にご縁
41円:始終いい縁
45円:始終ご縁
115円:いいご縁
お賽銭として明確にダメな金額があるわけではないですが、10円は「遠縁=(縁が遠ざかる)」、500円は「これ以上の硬貨(効果)がない」とされ、お賽銭にはふさわしくないといわれています。
また、5円や50円は穴が開いていて見通しがよいため縁起が良いとされていますよ。
お参りの基本は「二礼二拍手一礼」!
二礼二拍手一礼【二拝二拍手一拝】が、現在の神社における参拝の基本作法です。以下の手順で行いましょう。
- 姿勢を正し、拝礼(深いお辞儀)を2回行う
- 右手を左手の第一関節くらいまで下げて手を合わせ、柏手をしっかり2回打つ
- 手を合わせ、参拝できたことの感謝と願い事を伝える
- 最後にもう一度深い礼をする
柏手を打つときに右手と左手の高さをずらすのは「霊主体従(れいしゅたいじゅう)」と呼ばれる神道の思想が元になっています。これは左を人間の霊魂、右を肉体として、霊魂が肉体より上位にあることを意味しています。
ただし、これらの手順はあくまで基本であり、島根県の「出雲大社」や新潟県の「彌彦神社」のように「二礼四拍手一礼」を正式作法としているところもあります。大きい神社では看板で作法を案内しているところがほとんどなので、迷ったときは参考にしてお参りしましょう。
参拝時間は午前中~午後2時までがおすすめ◎
神社でのお参りは、一般的に午前中~午後2時くらいまでの時間帯が良いとされています。午前中や早朝は参拝客が少なく、神様に願いが届きやすくなるといわれていますよ。
とはいえ明確に決まっているわけではないため、夕方や夜に参拝するのももちろんOKです。ただし、神社によっては夜間や早朝に門を閉めているところも多いので、参拝に行く前に開門時間や閉門時間をしっかりチェックしておきましょう。
神社の参拝方法まとめ
神社の正しい参拝方法について解説しましたが、実際神社にお参りするときの作法に厳格な決まりはありません。神社や地域によって作法・マナーにはさまざまなものがあり、敬意の表し方も人それぞれです。
神社の参拝においては、細かい作法よりも神様に対する敬意がもっとも重要です。「できるだけ丁寧にお参りしたい!」と考えている人は、この記事の正しい作法とマナーをぜひ参考にしてみてくださいね。