成人式の起源や由来をわかりやすく解説!成人の日の歴史やお参りしたい神社も

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コラム
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冠婚葬祭における「冠」を表す成人式は、大人になったことを祝う節目のイベントです。華やかな衣装に身を包んで家族や地域から祝福を受けるこの日は、多くの新成人が新たな決意を胸に歩み始める特別な1日となります。

しかし、「日本の成人式はいつから始まったの?」「成人式が20歳で行なわれるのはなぜ?」といった成人式・成人の日の詳しい背景が気になっている人も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、成人式の起源や由来、歴史についてわかりやすく簡単に解説します。新成人の方や日本の行事の歴史に興味がある方は、ぜひ読んでみてくださいね。

成人式とは?いつ開催されている?

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『成人式(せいじんしき)』は、年度内に20歳になる若者を祝福・激励する日本の行事です。各地方自治体が開催しており、「成人の日」として祝日に定められている1月第2月曜日に行われるのが一般的です。

自治体によって規模や内容に違いはありますが、市民ホールや市民会館で講演会・パーティーを開いたり、記念品を贈ったりして祝う形式のところがほとんどです。

2022年から成年となる年齢が20歳から18歳に引き下げられましたが、多くの自治体では引き続き20歳を対象に成人式を実施しています。これは18歳を対象に成人式を行うと受験や就職活動の時期と重なり負担が大きいことや、同窓会としての意味合いが薄れることなどが要因となっているようです。

年齢が引き下げられたことから「成人式」という名称を変更し、「二十歳のつどい」や「成人の日記念行事」などに変更しているところも多いですよ。

成人式は古代中国における「冠礼」が由来とされる

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成人を祝う行事は世界中に見られますが、日本における成人式の起源になったのは中国で紀元前200年から行われていた「冠礼(かんれい)」と呼ばれる儀式とされています。

冠礼とは子どもから大人になった証として3つの冠を授けるもので、冠礼を経て成人することで若者は社会の一員として認められていました。この儀式は近代以前の成人式に当たる「元服(げんぷく)」のもとになったと考えられています。

元服は奈良時代以降の日本で、男子の成人を示すものとして行われた通過儀礼です。時代や階級、地方によって風習は異なりますが、「髪を大人の髪型に結う」「服装を大人のものへと改める」「幼名から新しい名に切り替える」などの方法で行なわれていました。冠礼のように冠や烏帽子をかぶることもあり、「加冠(かかん)」「初冠(ういこうぶり)」と呼ばれることもありました。

また、女子における成人式には、平安時代から安土桃山時代にかけて行なわれていた「裳着(もぎ)」と呼ばれる儀式があります。裳着は初潮を迎えた10代前半の女子を対象とするもので、大人になった証として「裳(も)」と呼ばれる腰から下に身につける着物を初めて着用させていました。当時は裳着を済ませることで大人の仲間入りをし、結婚が許可されていたそうです。

ただし、これらの儀式は公家や武家などの上流階級で行なわれていた習慣で、庶民には庶民の成人式がありました。庶民においては大人と同じような行為ができれば一人前と認められることが多く、 「仕事を一人でこなせるようになったら成人」「獲物を一人で狩れるようになったら成人」といったような指標で判断されていたようです。

現代の成人式は戦後の「青年祭」が起源!成人式の歴史

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「元服」や「裳着」として昔の日本で行なわれていた成人の儀は、12~16歳ほどと現代よりもはるかに若い年齢が対象でした。

成人年齢を20歳としたのは、明治9年(1876年)の法令である「太政官布告(だじょうかんふこく)」から始まっています。その後、この年齢設定は旧民法から現行民法に引き継がれ約140年間続いていましたが、2022年4月1日に18歳に引き下げられました。

ちなみに「成人式」というイベントが大々的に行われるようになったのは戦後のことで、ルーツは1946年に埼玉県で開かれた「青年祭」とされています。

青年祭は敗戦により暗いイメージだった世の中で、次世代を担う青年達に明るい希望を持たせ励ますことを目的に実施されました。この行事は全国に広まり、「青年祭」に影響を受けた政府は1949年に1月15日を「成人の日」と制定します。成人の日を1月15日に定めたのは、元服の儀が新年最初の満月の日に行なわれていた風習がもとになっています。

その後、2000年に「ハッピーマンデー制度」が制定されたことにより、成人の日は1月の第2月曜日に変更され現在まで続いています。

成人の日には神社にお参りにいくのがおすすめ

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お宮参りや七五三のように、日本人は人生のさまざまな節目で神様にお祈りを捧げてきました。成人の日は人生の良い節目となるおめでたい日なので、神社へ参拝へ行って神様に挨拶をするのがよいとされています。

無事に成人まで育ててくれた家族や地域社会への感謝、友人たちと楽しく日常を過ごせていることへの感謝、大人としてより充実した人生を送れるようさらなる発展を願うなど、日頃なかなか深く意識しづらいことに目を向けるいい機会になりますよ。

また、この時期の神社では、新成人向けの記念撮影やご祈祷が行なわれていることが多いです。成人式とあわせてぜひ神社にも参拝に行き、自身の成長や将来への決意を神様に報告してみてはいかがでしょうか。

新成人がお参りするのにおすすめの神社はどこ?

秋葉山本宮 秋葉神社

成人の日に参拝に行く神社は、地域の「氏神様(うじがみさま)」を祀っているところがおすすめです。氏神様とは自分が住んでいる地域を守る神様のことで、もともとは同じ地域や集落にすむ人々=氏姓を同じくする人々の中で祀られる神様だったため氏神様と呼ばれています。

自分の氏神様がわからない場合は、家族や地域の人に尋ねたり、神社庁や近所の神社の神職の方に聞いてみたりしてみてください。氏神様は日々の生活を見守ってくれる身近な神様のため、氏神様を祀る神社は成人の日に訪れるのにぴったりですよ。

成人式・成人の日を人生の節目として大切に過ごそう!

成人式は古代の通過儀礼にルーツを持ち、神道や地域文化と深く結びついている重要なイベントです。成人式の由来や歴史を理解しておくと、一生に一度のこの日がさらに特別な1日に感じられるかもしれませんよ。

家族へ感謝を告げたり神社へお参りに行ったりして、成人式・成人の日をより充実したものにしてみてください。

この記事を書いた人
Tomo

「神社メディア・アニミズム」管理人。Webディレクター、Webライター、写真家として活動中。
神社巡りと世界遺産巡りのために47都道府県を制覇した後、世界の文化を見に60ヶ国以上を旅しました。
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