神社とお寺は何が違う?見た目や参拝方法、成り立ちの違いについてわかりやすく解説!

神社 寺 違い
コラム
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行事やお参りで訪れる機会の多い「神社」と「お寺」。どちらも日本における一般的な祈りの場ですが、「具体的には何が違うの?」と疑問を持ったことがある人も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、神社とお寺の違いについてわかりやすく徹底解説!成り立ち・歴史・建築・祭事・参拝方法などについて詳しく紹介します。神社とお寺の違いをしっかりと理解して、より日本文化への理解を深めていきましょう。

神社とお寺は成り立ちが違う!歴史とともに振り返ろう

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神社とお寺の違いを簡潔に表すと、「自然発生的に生まれた神道のための施設として八百万の神々を祀っているのが神社」「ブッダを唯一神として祀っている宗教施設がお寺」となります。

日本では太古の時代より、豊かな自然やその恵みに感謝し、山や海といった自然物を信仰する風習がありました。この信仰形態はアニミズムと呼ばれ、神道や神社の基本となっています。一方でお寺は、お釈迦さまとして知られるシャカ族の王子ゴータマ・シッダールタが開いた仏教をもとに建てられています。

ただし、日本においては6世紀後半に海外から仏教が伝来した際、これらの信仰は混ざり合って神道と仏教はお互いに強く影響しあうようになりました。この現象は「神仏習合」と呼ばれ、明治時代に神道と仏教を分ける「神仏分離」が進められるまで1,000年以上の長い期間2つの信仰は共存していました。

そのため、現在でも境内に鳥居が建っているお寺や、三重塔・五重塔など仏教色の強い建築が残る神社もあります。現在では神社とお寺は分けて考えられていますが、神仏習合の名残で神様と仏様を同一視して祀っているところも多いです。

「神道」の神社と「仏教」のお寺。3つの大きな違い

神社お寺
崇拝対象自然物・人釈迦・仏
経典なし仏教経典
教義なし諸行無常・輪廻転生など
聖職者神主・宮司・巫女など僧侶・お坊さん
参拝方法二礼二拍手一礼合掌一礼
聖地各地の神社インド・ネパールなど
日本での歴史古代から仏教伝来より

神社とお寺の基本的な違いを簡単に表にまとめると、上記のようになります。このほか、建築様式や祭事、死の扱いの違いについても見ていきましょう。

神社とお寺は建築の見た目や使われている材料が違う!

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茨城県・鹿島神宮の檜皮葺きの屋根

神社とお寺の建築においてわかりやすい違いは「屋根」です。

お寺には屋根に瓦が使われていますが、神社では瓦は使わず檜(ひのき)の樹皮を重ねる「檜皮葺(ひわだぶき)」や、薄くした銅板を使う「銅板葺き(どうばんぶき)」が用いられてます。神社の屋根に瓦を使わないのには諸説ありますが、瓦は仏教と共に中国から伝わったため仏教建築にのみ使われていたのではないかと考えられているようです。

また、神社は建物全般が原則として木材のみで建てられているのに対し、寺院では木材以外の建材が用いられているのも大きな違いです。

建築様式以外では、境内の建築物にも違いがあります。神社の入口には「鳥居」が建てられていますが、お寺の場合入口には「山門」があります。手水舎・賽銭箱・お守り・御朱印などは両方に共通していますが、敵の侵入を防ぐ「仁王像」や五重塔などの「仏塔(ぶっとう)」、線香を立てるための「常香炉(じょうこうろ)」などは基本的にお寺にしかありません。

神道と仏教では祭事・行事に違いがある

茅の輪

季節の節目を祝う「節分」や「ひな祭り」、農作物の収穫を感謝する「新嘗祭」、厄を祓う「茅の輪くぐり」などは神道を由来とする行事です。

対して仏教では、ブッダの誕生日を祝う4月8日の「花祭り」や「お盆」「お彼岸」などが主な年中行事として行われます。とくに年に2回、春分の日・秋分の日近くに行われるお彼岸のお墓参りは仏教の発祥国であるインドにもない日本独自の習慣です。

これには日本に古来からある太陽信仰が深く関係しているとされています。春分の日と秋分の日は昼と夜の長さが全く同じとなり、太陽は真西に沈みます。仏教において極楽浄土は西にあるとされるため、太陽が真西に沈むこの日は特別な日と考えられるようになりました。

お彼岸のように、日本の行事は神仏習合の過程でお互いに影響を与え合っているものも多いですよ。

神道と仏教は「死」に対する考え方が違う

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神道と仏教では、死に対する考え方や葬儀の作法も異なります。

神道では死は「穢れ」とされ、気が枯れて力が失われた状態を指します。肉体から離れた魂を丁重に祀り、祖霊として生きている家族の守り神になってもらうおうという考え方をします。

対して仏教では、人は死ぬと浄土へ旅立ち、仏になると考えられています。亡くなった人を死後の世界に送り出す儀式としてお葬式が行われます。

現代の日本の葬儀はほとんどが仏式ですが、これは江戸時代に幕府が寺請制度(てらうけせいど)を定め、人々を寺院の檀家とするよう求めたことがきっかけです。

寺請制度(てらうけせいど):江戸幕府が宗教統制の一環として始めたもので、仏教の檀信徒でありキリスト教徒でないことを証明するための制度。

神式の葬儀は「神葬祭(しんそうさい)」と呼ばれ、現代でもこちらのスタイルで故人を弔っている人もいますよ。

また、神道と仏教ではお墓を建てる場所にも違いがあります。仏教ではお寺の敷地内や隣接する場所に墓地があるのに対し、神道では神社の境内にお墓を建てることはありません。これは神道では死を穢れとして避けているためで、お墓は神社から離れた公営霊園や民営霊園に建てられることが多いです。

神社とお寺の参拝方法の違いをチェック!

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神社で参拝するときの基本的な作法

神社を参拝する際の基本的な流れは以下のとおりです。

  1. 鳥居をくぐる前に一礼する
  2. 参道は真ん中を避けて歩く
  3. 手水舎で心身を清める
  4. お賽銭を入れて二礼二拍手一礼で参拝する
  5. 鳥居から出る際も一礼を忘れない

詳しい参拝方法については、以下の記事も参考にしてみてくださいね。

神社の正しい参拝方法を解説!参拝時間のマナーや手水舎の作法は?お賽銭の金額も
神社の基本的な参拝作法についてわかりやすく解説!お参りの前に知っておきたいマナーや賽銭の入れ方、二礼二拍手一礼について紹介しています。縁起の良いお賽銭の組み合わせや手水舎の手順も。

お寺で参拝するときの基本的な作法

全体の流れは神社とほぼ同じですが、二礼二拍手一礼がなく、煙で身体を清める手順があるのが大きな違いです。

  1. 山門の前で合掌して一礼し、右足から入る(敷居は踏まない)
  2. 手水舎で心身を清める
  3. 常香炉があれば煙で体を清める
  4. お賽銭を入れて合掌したまま一礼し、お祈りする
  5. 帰りに山門から出るときも合掌して本堂に一礼する

常香炉は仏さまにお香を供えて、その煙を浴びることで心身を清める場です。体の悪い所に煙をつけると治るとされていますよ。

現代社会における神社とお寺の役割

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現代社会において、神社は地域の伝統的なお祭りや行事を通じて地域コミュニティの結束を強める役割を果たしています。初詣・七五三・お宮参り・結婚式など、おめでたい節目の日に神社を訪れることも多いですね。

対して、お寺は祖先の供養や法事など、死生観に関わる行事を行う場として知られています。お寺には福祉・文化・教育・交流の拠点としての役割もあり、住職や僧侶が地域住民の悩みと寄り添ったり、瞑想や座禅といった心の平穏を得るための修行の場として使われていたりもします。

神社とお寺は長い歴史を通じて共存してきたため、両者の役割は融合している部分も多いです。それぞれの背景を理解して、どちらにも敬意をもって関わっていきたいですね。

神社とお寺の違いまとめ

神社とお寺には成り立ちや建築様式、信仰に違いがあることがわかりましたね。両者の詳しい違いが気になっていた人は、今度実際に訪れるときにぜひいろんな部分に注目しながら参拝してみてください。

神社とお寺の違いを理解して、より日本文化を深く楽しみましょう。

この記事を書いた人
Tomo

「神社メディア・アニミズム」管理人。Webディレクター、Webライター、写真家として活動中。
神社巡りと世界遺産巡りのために47都道府県を制覇した後、世界の文化を見に60ヶ国以上を旅しました。
このサイトでは神社の魅力や日本の文化について発信していきます!お時間のあるときにぜひ覗いてみてください。

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