【神様の島】沖縄の聖地「浜比嘉島」の信仰を巡る!おすすめスポット・観光情報を紹介

浜比嘉島 信仰
コラム
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沖縄県うるま市に位置する小さな島『浜比嘉島(はまひがじま)』。沖縄本島とは海中道路で結ばれており、車で行ける離島として多くの人が訪れる人気のスポットです。

そんな浜比嘉島には沖縄の信仰に深く関わる重要な場所が何箇所も点在しており、「神々の住む島」としても親しまれています。人によっては怖いと感じるほどの強力なパワーを感じられると評判ですよ。

今回はそんな浜比嘉島の信仰やおすすめスポット、観光情報についてご紹介します。沖縄の神様が気になっている人や、浜比嘉島への観光を考えている人はぜひ読んでみてくださいね。

浜比嘉島の概要

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浜比嘉島は沖縄本島の東側、勝連半島から約3kmの場所に位置しています。総面積は2平方kmほど、島内人口は約500~600人の小さな島で、島北西部分の「浜(はま)地区」と島南東を占める「比嘉(ひが)地区」の2つの集落に分かれています。

以前までは定期船で訪れる離島でしたが、1972年に本島と平安座島を繋ぐ「海中道路」が開通、1997年には平安座島と浜比嘉島を結ぶ「浜比嘉大橋」が繋がったことにより、車でも気軽に行けるようになりました。

琉球の開闢神話(かいびゃくしんわ)に登場するアマミキヨ・シネリキヨと深く関係する聖地であり、島全体が強力なパワースポットとしても知られています。神秘的な空気感を感じられるだけでなく、豊かな自然や美しい海も楽しめる沖縄観光で人気のスポットですよ。

開闢神話(かいびゃくしんわ):世界の始まりを伝える神話

浜比嘉島の神様や信仰に関連するスポット7選

ここからは、浜比嘉島で信仰されている主なスポットについて詳しく紹介します。それぞれ沖縄の神話とも関わりが深い場所なので、ぜひチェックしてみてください。

シルミチュー霊場

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「シルミチュー霊場」は浜比嘉島の中心的な信仰の場です。

沖縄本島周辺には、琉球の先祖神としてアマミキヨという女神とシネリキヨという男神の伝承が残っています。これは本土の神話に登場するイザナギ・イザナミの話によく似たもので、アマミキヨとシネリキヨが「ニライカナイ」とよばれる神の島から降臨し、琉球の島々を造ったというお話です。

シルミチューはそんなアマミキヨとシネリキヨが住んでいた場所とされ、108段の階段を上った先には一般人立入禁止の洞窟があります。

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なかには男性と女性のシンボルの形をした鍾乳石があり、参拝すると子宝に恵まれると伝えられていますよ。

シルミチュー霊場
シルミチュー霊場は、沖縄県うるま市にある霊場です。沖縄に伝わる開闢神話(かいびゃくしんわ)で琉球王国の祖神であるシネリキヨとアマミキヨが生活し、子どもをもうけた場所と伝えられています。シネリキヨとアマミキヨは沖縄の島々を創ったとされる神様です。

アマミチューの墓

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「アマミチューの墓」も浜比嘉島では有名な信仰の場です。

比嘉集落の東方海岸に「アマンジ」と呼ばれる小島があり、そこに琉球の祖神とされるアマミキヨの墓があります。アマミキヨ・シネリキヨの他、多くの神々が祀られていると伝えられていますよ。無病息災や子孫繁栄を願う拝所として有名です。

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お墓の前には美しい青い海が広がり、景観も抜群。入口では地元のおばぁがもずく・コーヒー・ぜんざいなども販売しているので、気持ちの良い潮風に吹かれながら一息つくのにもおすすめのスポットです。

地頭代火の神(じとうでーひぬかん)

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沖縄では家や家庭を守ってくれる神様として「火の神(ひぬかん)」を祀る風習があります。浜比嘉島の「地頭代火の神(じとうでーひぬかん)」では、地域の守護神として神が宿るとされる3個の霊石を祀っていますよ。

琉球王府時代には領主の代官として地方行政を担当する「地頭代」と呼ばれる役割があり、地頭代火の神は地頭代になる人が地域を治める経験を積む場所として安置されたのが始まりだそうです。

立身出世のご利益があるとされ、今でも進学や旅立ちの際にはここでお参りする習わしが残っています。旧正月には地元の人によるお祭も開催されています。

東の御嶽(あがりのうたき)【シヌグ堂】

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「東の御嶽(あがりのうたき)」はガジュマルの大木に守られた祈りの場で、「シヌグ堂」とも呼ばれています。

シヌグ堂の言葉の由来は、沖縄本島とその周辺地域に伝わる年中行事の一つ「シヌグ祭り」から来ています。シヌグ祭りは豊年祈願として行われることが多いようですが、浜比嘉島では旧暦の6月28日と8月28日に海人(うみんちゅ)をシケから守ることを祈願する目的で行われています。

東の御嶽には神々しい大きなガジュマルと祠があり、奥の小高い丘の先にはウガンジュ【拝所】が安置されています。

ノロ墓

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ノロとは沖縄における女性司祭のことで、神女・巫女の役割を担っている人々です。「ノロ墓」には浜比嘉島の祭祀を司ったノロの御霊が眠るお墓があります。

石段を登っていくと鳥居が現れ、その先に「ノロ墓」が佇んでいます。入り口には遺骨を収納する厨子甕(ずしがめ)が置かれており、その先にはガマと呼ばれる鍾乳洞へと続いています。

厨子甕:沖縄の伝統的な骨壺

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洞窟の奥は太陽光も届かない真っ暗な世界で、内部には霊石が祀られた拝所がありノロが祈りを捧げる聖域となっています。有名なスポットではないですが、浜比嘉島に来たらぜひ訪れてほしい神秘的な場所です。

ハマガー

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「ハマガー」はノロ墓の麓に位置する井泉(せいせん)です。

沖縄では井戸や湧き水のことを「カー」と呼び、ハマガーの湧き水はノロが身を清める際や、出産・葬式のときに利用されていたと考えられています。

浜比嘉島には他にも「ソージガー」「ウブガー」「アガリガー」など多くのカーがあり、神様が手足を洗うのに使っていたとの説話も残っています。

比嘉拝所

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「比嘉拝所」は浜比嘉島の東端に位置する拝所で、竜宮神を祀っている場所としても知られています。

入口が少しわかりにくいですが、港の舗装された道を進んでガジュマルのトンネルを抜け、美しいプライベートビーチのような海岸をさらに奥に進むと到着します。

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眼前には美しい海と空が広がり、穏やかな時間を過ごせますよ。観光客も少ない場所なので、ゆっくり過ごしたいときにもおすすめのスポットです。

浜比嘉島の神話

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浜比嘉島の信仰スポットに続いて、浜比嘉島の神話としてうるま市のパンフレットに紹介されているお話を3つご紹介します。

アマミチューやシルミチューが登場することからも、この神様たちが浜比嘉島で重要な役割を担っていることがわかります。

大昔、とても大きな巨人がモッコを使って土山を運んでいました。

ある日、歩いている途中でモッコの縄が切れて、土が落ちました。落ちた場所が今のうるま市石川の世栄津の森公園のあたりになります。もうひとつ落ちた場所があって、それが今の浜比嘉島です。

昔、そのおはなしをおじいさんから聞きました。

うるま市石川出身 大正生まれの女性

大昔、アマミチューの夫婦がいて子どもがいませんでした。

この夫婦はどこから来たかわかりませんが、雄と雌のセーグヮ(バッタ)がアマミチューのところへやって来ました。その虫が交尾をしたので、この夫婦は子どもをつくることを覚え、浜比嘉島から子孫が増えていきました。

うるま市勝連浜出身 明治生まれの女性

シルミチューは天から降りると、一番初めに久高島に渡ったが、ガマ(洞窟)がありませんでした。次に津堅島に渡り、ガマを見つけたが水がありませんでした。

そしてガマと水のある浜比嘉島へやってきて「比嘉には水があるからこっちで住んでいこう。」と言いました。

うるま市勝連浜出身 明治生まれの男性

出典:浜比嘉島の概要 – うるま市

浜比嘉島のお祭り・儀式と年間行事

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浜比嘉島では現在も年間を通じていくつかの祭事が行われています。代表的なものを見ていきましょう。

1月下旬~2月上旬:年頭拝み

旧正月にあたる1月下旬~2月上旬には、1年間の健康と家内安全を祈願する「年頭拝み」が行われます。

神に仕える祝女を中心に、住民が地区内12ヵ所の拝所や神屋を巡ります。祈りを捧げた後は、三線(さんしん)の演奏や踊りが奉納されます。

6月下旬~7月上旬:ハーリー

ハーリーとは、航海の安全や豊漁を祈願して「サバニ」と呼ばれる伝統漁船で競漕を行う行事です。

ユッカヌヒーと呼ばれる旧暦の5月4日や、旧暦7月の盆前後などに行われることが多く、浜比嘉島では6月下旬から開催されています。複数の船でレースを行う迫力ある様子を見学できます。

7月下旬~8月上旬:豊年祭

豊年祭は子孫繁栄と住民の健康長寿を願って毎年行われるお祭りです。

綱引きやウスデーク奉納、住民総出による琉球舞踊など多彩な演目を楽しめます。

8月中旬~8月下旬:エイサー

エイサーは盆踊りに近い沖縄の伝統芸能のひとつで、地域内を踊りながら練り歩く行事です。

エイサーは各地域によって形態が分かれ、太鼓を中心とした「太鼓エイサー」や手踊りのみのものなどさまざまな種類があります。

浜比嘉島では小さな太鼓を手に持ちながら踊る様子を見学できますよ。

【ビーチ・ご飯】浜比嘉島のおすすめ観光スポット

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浜比嘉島には神話を巡る場所以外に、美しい景観や美味しいご飯を楽しめる場所がたくさんあります。

  • 透明度の高い海と弧状の美しいビーチを楽しめる「浜比嘉ビーチ」
  • 名物・もずくの天ぷらが美味しい「丸吉食品」
  • 本格コース料理を楽しめる「浜比嘉島レストラン むいにー亭」
  • 古民家でゆったりとランチタイムを過ごせる「古民家食堂 てぃーらぶい」
  • ワーケーション施設だけでなく文化祭や芸術祭などイベントも盛り沢山な「浜中学校」
  • 昔ながらの塩作りを体験できる「高江洲製塩所」

観光で訪れた際は、ぜひあわせてチェックしてみてください。浜比嘉島にはホテルもあるので、琉球文化に触れながらリゾート気分を楽しめますよ。

浜比嘉島へのアクセス方法

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海中道路により、浜比嘉島へのアクセスは非常に簡単です。那覇空港でレンタカーを借りれば、約1時間半ほどのドライブですぐに到着します。

バスを乗り継いでいくこともできますが、那覇からの路線バスは海中道路手前までしか運行していません。浜比嘉島へ行くには「JAおきなわ 与那城支店」前から運行しているコミュニティバスを利用しましょう。

コミュニティバスは1~2時間に1本程度発車しており、浜比嘉島だけでなく平安座島・宮城島・伊計島など周辺の島々を巡るのにも便利です。

他の島々にも多くの拝所や祈りの場が点在しているので、お時間のある人はあわせてチェックしてみてください。地元の人々によって大切に守られて続けている琉球の信仰を感じられますよ。

琉球神道とは?沖縄の信仰と神様をわかりやすく解説!
沖縄地方の信仰のもととなっている「琉球神道」やそのゆかりの地について解説。本州とは異なる沖縄・奄美大島の独特な文化を紹介します。琉球神道に登場する神様ティダ・アマミキヨ・シネリキヨや、沖縄地方の巫女ノロ・ユタ・聞得大君についても説明しています。

浜比嘉島の信仰まとめ

浜比嘉島の信仰やおすすめスポットについて紹介しました。

浜比嘉島は、沖縄の信仰と神話が色濃く残る聖地です。美しい自然とともに古代からの信仰の歴史に触れられるこの島は、訪れる人々に深い感動と癒しを与えてくれますよ。

沖縄旅行の際には、ぜひ浜比嘉島を訪れてその神聖な雰囲気を感じてみてください。

この記事を書いた人
Tomo

「神社メディア・アニミズム」管理人。Webディレクター、Webライター、写真家として活動中。
神社巡りと世界遺産巡りのために47都道府県を制覇した後、世界の文化を見に60ヶ国以上を旅しました。
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